各家庭や自家用電気工作物である需要家など電力量計が設置されています。
電力量計は電力会社で設置され、高圧需要家ですと加えてVCT(MOF)も設置させてVCTで変圧・変流された電圧・電流が電力量計へ接続されます。
最近では増えたスマートメーターは自動で検針をしてくれます。
検針している30分ごとの電力量が最大電力となるわけで、この最大電力が電気料金に反映されます。
ただしこの電力量は電力量計が設置してある場所まで行かないと分からないし、パルスの乗率もあるのでいちいち計算するのも面倒です。
そこで電力会社が設置した電力量計から信号をもらって、需要家設備の持ち物のパルスピックが出番となります。
パルスピックであれば任意の場所へ信号を送れて、デマンド制御や電力値の管理を日誌としても保管もできます。

パルスピック配線所掌
電力会社の電力量計は電力会社の持ち物なので勝手に配線作業は出来ませんので、原則立会いになります。
自分が知っている範囲ですと、電力量計に端子が設けられて(Ç1・Ç2など)この端子間をIV線で短絡をして、この短絡されたIV線をパルスピック側のクランプにて信号をもらいます。
自分の経験の中ですと短絡線は電力会社工事、ただし短絡線はパルスピック付属品で支給品、その他工事は需要家側の責任になります。
高圧の需要家設備の場合、VCTが設置されていますのでパルスピック側で定数(乗率)の設定が必要です。
パルスピックの設定のはなし
例えば特高設備で三菱電機のパルスピックpc-11bを使用していた場合、
VCT…パルス値が50,000パルス(電力会社のVCTによっての固定値)
VCT(VT)…66,000/110V…変圧比600倍(電力会社のVCTによって変化するので注意)
VCT(CT)…200/5A…変流比40倍(電力会社のVCTによって変化するので注意)
と仮定した場合、パルスピックの設定は下記となります。
パルスピックから出力されるパルスの重みを10kWh/Pulseとしたい場合
(1パルスあたり10kWh積算させる)
VT変圧比600倍×CT変流比40倍=24,000倍…分子
450,000(三菱電機の固定値)×10(重み)=4,500,000…分母
この450,000という数字はパルスピック内にて設定されてある固定値なのであまり気になくて良いです。詳細はpc-11bの取説を参照の事。
上記を当てはめると24000/4500000=2/375となります。
実際の設定はダイヤルで実施するので、数字が割り切れない場合は分母の形でとどまるところまで約分します。
この2/375でダイヤルを回して設定完了になります。
(実際には入力パルス等の設定もありますが)

設定の確認
これで1パルスあたり10kWh発信されてデマンド制御や電力量の監視が出来ます。
もし設定が不安ならば電気を使用している状態で設定も確認できます。
パルスピックには動作した時(パルスを出力した時)にLEDが光ったり何かしらのサインが出る製品が多いと思います。
このサインを適当な時間計測して、例えば1分あたり1パルスならば1パルス10kWhなので60分あたり600kWhとなります。
これを電力会社の電力量計と比較して差がなければOKです。
実際にはピッタリとは数字は合いません。
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