力率と効率
力率:消費電力=√3×V×I×cosθ
効率:効率=出力÷入力 ⇒ 出力÷(出力+損失)
力率
力率は馴染みもあってイメージが付きやすい。
交流回路で基準を電圧とするのであれば、基準電圧に対して電流がどれだけ位相差があるかという事になる。
電動機は原則遅れ電流になるので、基準電圧0度に対して遅れ電流が何度になるかということであり、その角度がcosθに紐付けされる。
なぜcosなのか。
これが結構大切で、図解にするとイメージが付きやすい。
x軸に注目する。
皮相電力Sは散々やってきた公式よりS=VIとなる。(単相の場合)
では消費電力Pは・・・。
単純に公式を暗記していればP=VIcosθとポンと出てくる。(単相の場合)
ただしこの公式には意味があって、皮相電力Sの三角形のナナメの線から三角形の水平の線(x軸)の消費電力Pを知りたいのだから、皮相電力Sのx軸分、すなわち皮相電力S×cosθとなる。(別記事載せてます)
なので、P=S×cosθ⇒P=VIcosθとなる。(単相)
この考え方がかなり大切で同じように導けば無効電力も求まる。(cosθの代わりにsinθとなる)
この力率は角度が無いほど電力が消費されないので、θが0度の場合が一番理想となる。(実際には励磁電流があるので0にはなりませんが)
0度といえばcosθでは1となるので消費電力と皮相電力が同じになり、無効電力は0になる。
ただし電動機(誘導電動機)の場合、励磁電流が流れている。
また電動機の負荷が定格負荷になればより力率は良くなる傾向となる。
下記に三菱電機のカタログを記載します。
これは4極の誘導電動機カタログだが、赤線の50Hz0.75kwの電動機を考えた場合、負荷特性100%負荷の力率72.8に対して50%負荷力率49.4%と低い事が分かる。
なので誘導電動機単体で考えてあげれば定格負荷100%で運転した方が力率が良くなる事が分かる。
負荷特性は負荷の変動によって力率も変化するし効率・電流・回転速度も変化していく。
なので電動機を使用する場合は負荷を考え、負荷率が高いように選定し力率0.7以上を目安に検討する。(各メーカーによって選定方法があるのでそちらを参照)
力率が悪いと一次側の電源容量が圧迫してしまう。
効率
この効率から少しやっかいになる。
定義としては入力された電源が電動機を回す為に鉄損や銅損等の電気的な損失をしながら、さらにベアリングや摩擦などの機械的な損失を経て回転する。
これを効率として入力された電源がどれだけ出力できたかを示す。
力率と効率で計算してみる
三菱電機のカタログを出してみる。
仮に赤いラインの負荷特性が100%負荷の場合、効率が83.8%・力率72.8%となる。この皮相電力S(電源容量)を考えてみると
つづく
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