過電流継電器(OCR)の電流引き外し方式とは

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ブレーカーと過電流継電器の違い

過電流継電器(OCR)は例えばVCB(高圧真空遮断器)などの遮断器を動作させる機器となる。

家で使用されるブレーカーと考え方は同じ。

家にあるブレーカーは30Aとか15Aとか書いてあって、その電流値を超えるとブレーカーがトリップする。

過電流継電器(OCR)も同じ。

ブレーカーの場合は、ブレーカー内部にあるバイメタルや電磁石などの機械的構造によってブレーカーがトリップされる。

バイメタルの場合、電流による熱によって曲がり、トリップする。

電磁石の場合、電流による可動鉄心が動きトリップにつながるラッチが開きトリップする。

ただし過電流継電器の場合は、実際にトリップする機器(VCBなど)へ故障信号を伝えたり電流を流したりしてトリップさせる。つまりVCBと過電流継電器の組み合わせでやっと過電流によるトリップを実現させる事ができる。

過電流継電器の出力の仕方によって電圧引き外し方式と電流引き外し方式に分かれる。

電流引き外し方式

電流引き外し方式。名前の通り電流でトリップさせるタイプの過電流継電器になる。

VCBには内部にトリップコイル(TC)というコイルが内蔵されている。

このトリップコイルに電流か電圧を加える事でVCB内部のラッチが外れてトリップする。

電流引き外し方式なので、トリップコイルに電流を流してVCBをトリップさせる事が分かる。

通常時はCT(変流器)から流れている電流がOCRの電流を検知するところ(電流コイル)に流れる。

OCRには整定値というダイヤルがあり、例えば限時電流が5Aだったとする。

限時電流とはブレーカーの15Aなどの表記と同じで、5Aになったら動作するよという電流になる。

ただし5Aになったらすぐ動作する訳でもなく、限時電流と同様に時間の整定もある。

このあたりの話は別の記事で詳しく記載するが、5Aと時間の整定がOCRで設定ができて、実際に5A以上の電流が流れ続けて整定した時間を超えるとOCRが動作する。この動作するというのはOCRの中の接点が動作して、その接点を通じてVCB内部にあるトリップコイルに電流が流れてVCB内部のラッチが外れてトリップする流れとなる。

このOCR内部の接点が通常b接点なので業界の一部では常閉と呼ばれることもある。

通常b接点なのでTCには電流は流れない。

これもあとで記事にしたいが、TCはコイルの為コイル抵抗がある。

OCRに流れる電流は実はOCR内部で2回路に分かれており(並列回路)、抵抗の高いTCへの道とb接点で短絡されているb接点の道に分かれる。当然電流は抵抗の無い方に流れるのでTCには電流が流れない。

この構造が電流引き外し方式の肝であり、b接点が外れると行き場のない電流が仕方なくTCに流れて、VCBがトリップする。

電流引き外し方式のメリットとデメリット

メリット

・CTから流れる電流をそのまま流用できるので他の電源が要らない。という事は小規模の電気設備に向いている。

デメリット

・VCBのトリップコイル(TC)の定格動作電流はAC3Aとなる。すなわちOCRの限時電流整定値は3A以上にしないといけない。(そういう風に設計する)

電流引き外しの場合、CTから流れる電流をそのままTCに流すので他の電源が要らない。

小規模な電気設備に向いておりコストも安い。

ただしTCの動作電流は3A以上なのでOCRの整定は3A以上にしないといけない。

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