誘導電動機の構造(かご形)

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固定子

誘導電動機のブラケットを外した写真。電動機負荷側から見た。

回転子を外した写真。

誘導機は固定子と回転子で成り立っており、固定子をステータと呼び回転子をロータと呼ぶ。

固定子の構造として、固定子コイルと固定子鉄心(コア)がある。

固定子コイル(巻線)

コイルの材料は軟銅で固定子鉄心の溝(スロット)に嵌め込まれる。コイルはそのままでは短絡してしまう為(層内短絡、レアショート)、エナメルなどで絶縁されている。

コイルの巻き方は別途紹介したい。

また引出線が3本出ており(スターデルタ起動が可能な電動機は6本の場合もある)、この引出線に電源電圧を供給する。

固定子鉄心(コア)

コイル巻線をスロット内に収めて支持をする。鉄心は磁束の通り道でケイ素が使用される。

鉄心は磁束の通り道なので強磁性体を使用すると思いきや、渦電流損・ヒステリシス損が大きく、抵抗の高い鋼板を使用し一枚一枚を積層させる。(積層鉄心)この結果、渦電流損は流れにくくなりヒステリシス損はヒステリシスループ面積が小さくなる。

また、固定子コイルは交流電源で供給される。その為、固定子鉄心に鉄損が発生する。

回転子

回転子はかごの形をした導体と回転子鉄心で構成される。

かご型回転子。
回転子導体(ロータバー)

回転子導体が回転子鉄心のスロット内に収まり各々の回転子導体を短絡させる。(端絡環・エンドリング)

回転子導体(ロータバー)と端絡環(エンドリング)とかご型の形をしているのでかご型導体と呼ぶ。

回転子鉄心(コア)

回転子鉄心の材料も固定子鉄心と同様でケイ素鋼板が使用される。

回転子鉄心の溝(スロット)の形状はかご型誘導機の場合導体の形になるが、その形状は標準かご形・深溝かご形・二重かご形がある。別の機会で説明をするが、形状を変えることにより始動電流の制限や始動トルクの増加などに影響を与える。


回転子。端絡環(エンドリング)ある。

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